なるほど知って納得「OP袋・PP袋」の基礎知識Vol.2 素材・用途編
身の回りにあふれていて、ふだんはその存在も気にかけないほど当たり前にあるOP袋やPP袋。それだけに、私たちはOP袋・PP袋どんな素材でできていて、どんな用途に用いられているのか知らずに暮らしています。そこで、なるほど知って納得「OP袋・PP袋」の基礎知識の第二弾となる今回はOP袋やPP袋に用いられている素材の特徴や意外な用途についてお話しします。
もくじ
1:PP袋の原料・特性・安全性
2:PPフィルムに印刷する方法、ラミネート加工する方法は?
3:私たちの身の回りにあふれるPP袋、OP袋を用いたパッケージ
4:まとめ
1:OP袋・PP袋の原料・特性・安全性
OP袋・PP袋はポリプロピレンという熱可塑性樹脂の一種が原料。そのポリプロピレンはプロピレンガスを化学反応させて得られますが、このプロピレンガス自体は石油を蒸留したナフサから作られます。つまり、OP袋・PP袋の大元はプラスチックと同じ石油ということ。なお、一般に石油製品というと環境負荷が高いイメージがありますが、ポリプロピレンの主要元素は炭素と水素であるため塩素を含むPVC(ポリ塩化ビニル)に比べ非常に安全で衛生的な素材。また、完全燃焼させれば二酸化炭素と水に分解されるだけで、有毒ガスが出にくいのも特徴です。
また、前述のように熱可塑性があるため、溶かして固めれば別の製品に再利用が利く点もポリプロピレンのメリット。たとえば、ペットボトルの蓋もポリエチレンでできていますが、これを溶かし再生することで容器や包装材などさまざまな製品に生まれ変わります。ポリプロピレンは、まさにリサイクル時代にぴったりの素材だと言えるでしょう。ただし、弱点がないわけではありません。とくに対候性は低く、屋外など紫外線に晒されるような環境では劣化が急速に進みます。
2:PPフィルムに印刷する方法、ラミネート加工する方法は?
透明度が高く、しかも衛生的で安全な素材であることから食品や各種商品のラッピングに用いられることの多いPP(ポリプロピレン)フィルムですが、唯一の泣き所はインクや接着剤が付着しにくいため印刷や塗装に向いていないこと。したがってそのままでは、商品名やブランド名、商品情報をフィルムに定着させることができません。そこで、コロナ放電という特殊な方法で表面処理を行います。このコロナ放電とは、フィルム表面の一部または全体で高周波放電を行うことでインクや染料などが乗りやすい下地を形成するもの。食パンや野菜の包装に使われているOPフィルムで商品名やロゴが印刷されているものは、コロナ放電加工がされていると考えてよいでしょう。
さて、透明感に優れ中身を引き立てることができるOP袋・PP袋は食品の包装によく使われていますが、それ単独で使われている場合だけでなく、他の素材と組み合わせて使用されることがあります。それがラミネートと呼ばれるもの。ラミネートとは複数の材料を貼り合わせて積層させる加工のことで、PET(ポリエチレンテレフタレート)フィルムなどを貼り合わせ、抗菌性を持たせたり、接着特性をよくしたりといった用途で使われます。なお、煎餅やおかきといった米菓では防水性を強化し、湿気から商品を保護するOPフィルムとPPフィルムをラミネートしたものがよく用いられます。また、プラスチックフィルムと枚葉状の印刷物(一定の大きさに断裁した印刷用紙)とを貼り合わせるプリントラミネート加工と呼ばれるものもあります。
3:知っているようで知らないPP袋のこんな用途あんな用途
PP袋というと透明度の高さを生かしたダイレクトメールの封筒やレーベルCD袋・DVD袋、ラッピング材料などに多く使われていますが、それ以外にもさまざまな用途に応用されています。代表的なものはやはり食品でしょう。中でも食パンを入れる袋はよく目にされているのでイメージしやすいはずです。また、面白いのは野菜を入れる袋。野菜は生きて呼吸しているので、そのまま封入したのでは中で水蒸気が発生してせっかく透明感に優れたフィルムの内側が曇っていまいます。そのため、野菜用のOP袋では防曇タイプのものが使われます。その他、静電気の影響を受けやすく、充填時や使用時に影響が出るふりかけのような商品を包装するOP袋・PP袋では静電防止処理が施されています。また、菓子パンや米菓の包装に使われるOP袋・PP袋は低い温度で溶けるフィルムと貼り合わせた多層構造になっていて、商品充填後に端の部分を熱で溶着できるようになっています。これをヒートシール仕様と呼んでいます。食品のほかにも、アパレルショップなどでよく見かける、衣服などを詰める袋などもOPフィルムでできています。透明なので、商品の風合いや色合いを確かめやすいなどさまざまなメリットがあるからです。
4:まとめ
OP袋・PP袋は高い透明性と加工のしやすさ、安全性などが優れているために、食品流通などになくてはならない存在となっています。このコラムでは、今後もOP袋・PP袋に関する知って得する話題、面白い話題をお届けします。ぜひ、ご注目ください。
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